こんにちは。理系のやま(プロフィール)です。
僕は、社会調査協会の定める社会調査士の資格取得に必要な計6科目を大学で全て履修しました。大学院生では、1つランクが上の専門社会調査士の資格取得を目指して勉強をしていました。
そんな僕が、社会調査士の資格に興味をもつ大学生の方へ、次の疑問にお答えします。
・どんなことができるようになるの?
・就職に役立つの?
この記事はこんな人向け
是非参考にしてみてください!
※このページはわかりやすさを第一に作成しています。実際の社会調査では吟味すべき詳細な議論は省いていることをご了承ください。
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社会調査士って?
社会調査士を簡単にいうと?
すごく簡単に言うと、社会調査士は、
「調査の方法に詳しく適切な調査を行える」
+
「得られた結果を適切に統計処理できる」
+
「得られた結果を適切に解釈できる」
そんな人です。
そして、これらのスキルを身につけるため、次の【A】〜【G】の授業が用意されています。
【 A 】 社会調査の基本的事項に関する科目
【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目
【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目
【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目
【 E 】 多変量解析の方法に関する科目
【 F 】 質的な調査と分析の方法に関する科目
【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目
※【 E 】と【 F 】は、どちらかを選択。
出典:一般社団法人 社会調査協会
社会調査士になるにはこれらの単位の取得が必要です。
については次の記事で解説しています。
社会調査士の資格取得に必要な授業A〜Gとは?【授業を受けてみた感想】
A〜Gってどんな授業?
と思ったら方はぜひ上の記事もチェックしてみてください!
社会調査士について具体的に詳しく解説
本題です。社会調査士とはどんな資格なんでしょうか。
社会調査士の資格認定を行っている統計処理社会調査協会は次のように述べています。
社会調査の知識や技術を用いて、世論や市場動向、社会事象等をとらえることのできる能力を有する「調査の専門家」のことです。
出典:一般社団法人 社会調査協会
いまいちよくわかりませんよね。
なので、これから僕なりに社会調査調査士とはどんな人か、具体的に話していきます。
まず、社会調査士について僕なりにざっくり言い直すとこうなります。
「適切な調査手法を選び、100人に調査をし、1万人の考えを適切に推定することができる人」
もっと違う言い方をすれば、
「適切な調査方法を選択し、調査計画を行い、適切に統計処理して、適切に結果を考察できる人」
です。
いや調査100人ってそんなに少ない人数でいいの?
そう思った人もいるかもしれません。でも、1万人の意見を推定するならこれでも調査として成り立ちます。
例えば、テレビの世論調査でも、「電話による方法で調査した結果、900人から回答を得ました」みたいなフレーズを耳にしますよね。これを聞いて
日本に住む人は約1億3千万人もいるのに900人だけでホントにいいの?どれくらい信頼できる結果なんだろう?
と思ったことはありませんか?
社会調査士の授業で取り扱う「統計」を勉強すれば、そうした疑問も解決でき、数字に強くなれます。
少し具体例を見てみましょう。
・900人から結果が返ってきました
・YESと答えた人が300人でした
さて、問題です。このとき「今の政治の満足している人」は何%でしょうか?
答えは、
ですよね。
でも、300人しかアンケートしてないのに、これを日本国民全員の意見といっていってよいでしょうか。この結果はどれくらい信頼してよいのでしょうか。
それを教えてくれるのが統計です。今回の場合、統計の力を使えば、
「信頼度95%で、日本に住む人で『今の政治に満足している人』は『33%±10%』(23%~43%)である」
といえます。言い換えれば、約3千万~5.5千万人が信頼度95%で「満足してる」、ということです。
その信頼度95%とか±10%って数字はどっからきたの?
気になった方はこちらで説明しているので参考にどうぞ
社会調査士の資格取得に必要な授業A〜Gとは?【授業を受けてみた感想】
大事なことは、33%という数字が、どれくらいの信頼度でどれくらいの幅をもった値なのかを客観的に計算できるということ。
こういうことがわかるようになるのが社会調査士の資格取得の勉強をする魅力の一つです。
社会調査士の腕の見せどころ
上の例において、もっとたくさんアンケートをとればこの±10 %という幅は小さくなります。でもそれだけ、時間や手間やコストがかかります。
逆に、アンケートをとる人数を少なくすれば調査に必要な時間や手間、コストを抑えることができますが、結果の幅(真実との誤差)は大きくなってしまいます。
こうしたバランスを見極め、適切な方法で調査できる能力を持つ人が「社会調査士」である、ということもできます。
そのほか、調査にはどのような手法を採用すべきかも考える必要があります。
アンケート協力者の家に行って調査 (面接調査) するのか
アンケート協力者へ電話をかけて調査 (電話調査) するのか
アンケート協力者の住所へ調査票を郵送 (郵送調査) するのか
それともインターネットを使った調査 (インターネット調査) にするのか
それぞれの調査手法にはメリットもデメリットもあります。
例えば、「あなたは自分の生活に満足していますか?」と聞く場合。
面接調査だと、自分の回答を直接、調査員に伝えないといけません。みえをはって、ホントは生活に満足してなくても「満足してる」と答える人が増えるかもしれません。
その一方、郵送調査なら、自分の顔も知られることなく自分の回答を提出できます。恥ずかしがらずにホンネを答えてくれる人が多くなるかもしれません。
社会調査士はこういったことも考えます。
くわしくは「社会調査士の資格取得に必要な科目A〜Gとは?【わかりやすく解説】」でも紹介してます。
さらには、郵送調査をするにしても、どんなアンケート票 (調査票) をつくるのかも考えます。
どんな質問文にするのか?
どんな回答形式にするのか?
レイアウトはどうするのか?
例えば、回答形式。
自由記述形式は、書くのがめんどうなので回答してくれる人は少ないかもしれません。でも、こちらが想定していなかった率直な回答を知ることができます。
その一方で選択形式は、番号を選ぶだけなので回答しやすく、回答率が高いです。でも、質問作成者が想定した回答以外の答えを知ることは難しいです。
社会調査士は、こういったことも考えながら調査を行うことになります。
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社会調査士の資格は就職に役立つ?
ぶっちゃけ、就活のためだけに社会調査士の資格取得を目指すというのはおすすめしません。
なぜなら、「社会調査士の資格をもっているから有利」になる就職先はあまりないと思われるためです。
また、この資格はまだ一般に社会に認知されている気がしませんし、実習や定期試験はあったとしても、他の資格試験のように本格的な”資格試験”は行わずに「単位を取得して申請」するだけで取れてしまう資格だからです。
でも!
逆をいえば、資格をとるまでには実習を含めた6つの講義を履修する必要があります。
他の大学生よりも自主的に、自ら進んで学習する道を選んでいるわけです。
こうした積極性、知的好奇心、行動力は就活でアピールすれば役立つことでしょう。
そして、「アンケート」「社会調査(士)」「調査票」「統計」「推定」「データ分析」など、なにかひとつでも興味があれば、該当する授業をまずは受けてみることには大賛成です。
就活のことを考えるにしても、大切なことは、
「なぜ、社会調査に興味があるのか」
「なぜ、統計に興味があるのか」
「なぜ、こうした授業をとって学ぼうと思ったのか」
といった、「なぜあなたはその行動をしたのか」が重要なポイントだと思います。
たとえば、化学科の僕が「社会学系の社会調査士を目指した理由」を就活でアピールするならこんなふうに言います。
「僕が社会調査士の資格をとった理由は『数値を適切に処理し、適切に考察する力を身につけたかったから』です。僕は幼い頃からアンケート票に興味があり、アンケートを見つけては回答する子供でした。今でも社会ではさまざまな調査が行われていますが、それらが全て適切な方法でなされているかは疑問です。そんなとき、大学で「社会調査士」という資格の存在を知りました。僕は、この資格取得を通して、適切なアンケート票の作り方だけでなく、得られた結果を適切に処理できる能力、さらには結果をみて深く考察する力を身につけたいと思い学習しました。このことは、自身の研究でのデータ分析にも役立てることができました。こうして培った数値を適切に処理して考察する力は、御社の○○にも活かすことができると考えております・・・」
みたいな感じです(ちょっと長くなりましたが)
就活では「統計に興味がある、データ分析に興味がある、だからこそこの資格取得を通して必要な知識を学びたいと思った」ということを就職活動のときに伝える。
もしくは、「好奇心をもって新しいことに自ら進んで挑戦することができる」ということをアピールする。
「あなたという人がどういう人なのか」を伝える。
そうすれば、就職でもプラスにはたらくのではないかと考えています。
就活で大事なことは、「どんな資格をもっているか」よりも「なぜその資格をとろうと思ったのか」という「なぜ?」の部分だと思います。
ここまでいろいろ書きましたが、もちろん就活がすべてではありません。一連の学習を通して得た知識や体験は、あなたのスキルとなります。
情報化が進むこれからの社会を生きる上でも役立つはずですし、統計リテラシーとしても社会に出る前に習得しておきたい能力のひとつでしょう。
自由に勉強できる時間を与えられた大学生です。興味があったら、興味のある授業だけでも受けてみてはいかがでしょうか。
・マスコミ(世論調査)
・調査関連会社
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まとめ
社会調査士はどんな能力をもった人なのか、イメージはできたでしょうか?
もし少しでも興味があったらまずは試しに授業を受けてみることをおすすめします。
社会調査士の授業はどんな授業なのか、まとめた記事もありますのでよかったらご確認ください!
社会人になって思うこと 雑談です (2024年11月追記)[PR]
この記事を書いたのは僕が当時大学院生だったときで、あれから時間が経って今は会社員3年目になります。
今現在でも社会調査士の資格が仕事で直接役にたったことはありません。でも、話のネタにはなっています。
「社会調査士?なにそれ!」
そうして会話が広がったり、あまり聞いたことのない面白い資格を持っている人、というイメージが持たれたりして、そういう意味では持っておいてよかった資格だと思います。
テレビやメディアが出してくる数字を鵜呑みにすることもなく、「ほんとにそうかな?」という目で見られるようになったのも、自分の成長という意味でよかったと思います。
そして今これを読んでくれているのが大学生や大学院生なら、お伝えしたいことがあります。
大学生や大学院生に伝えたいこと
それは、「興味のある資格を見つけてその資格を取得してほしい」ということです。
僕は最近宅建士の資格に挑戦しました。結果、宅建士は自己採点の結果落ちてしまったことがわかりました。
社会人になると働くことに時間を取られて、勉強したくても大学生のときほど勉強する時間が取れません。
大学生も忙しいのはわかります。僕も理系で日々の勉強やレポートに追われ、バイトもあったりとなかなか好きな時間を過ごすことができませんでした。
それでも大学生は夏休みや冬休みがあります。「大学生」という社会的に身分が保証されている今、時間を自由に使っていい期間は人生の中でもそうないと思います。
長期休みはそのときだけで終わってしまいますが、長期休みの間に学んだスキルや資格は一生ものです。
僕も自分が今大学生なら、行政書士や宅建士、賃貸管理士などの資格勉強をしていたと思います。
僕は今は必要に買われて【スタディサプリ ENGLISH】でTOEIC対策をしていますが、これも早いうちにやっておけばよかったと思っています。
僕が大学生のときに資格勉強をしなかったのはどんな資格があるかあまり知らなかったから
大学生のころ、もっとどんな資格が世の中にあるのか知っていれば、もっと早くいろんな勉強をしていただろうと思います。
まずはどんな資格があるのか知るところから始めてみてください。時間がある大学生の特権をフル活用してほしいと思います。
ユーキャンの全講座一覧 から興味の惹かれる資格を探してみるのも一つの方法です。
ユーキャンのぴったり講座診断を試すのも面白いかもしれません。
特に気になる資格がない人は僕が今やっている【スタディサプリ ENGLISH】でTOEIC対策もおすすめです。
資格をとっておけば就活の場でも、資格をとろうと思った好奇心や、資格取得までのストーリーで自己PRすることもできます。
ちなみに僕は大学生のとき甲種危険物取扱者という資格を取りました。
よかったらこちらも参考にしてみてください。
参考:甲種危険物に1発合格!おすすめの参考書は?|国家資格が化学科で取れる
みんなも気になる資格には挑戦してみてくださいね!
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