研究室選びって悩みますよね。「就職に有利なところを選べ」とか「ブラック研究室はやめろ」とか「コアタイムに注意しよう」とかいろんな情報が飛びかいます。でも、いまいちピンときません。
難しそうにみえる研究室選びですが、実は、研究室選びで重要なことはたった1つだったのです。これは、僕が実際に研究室に配属してたどり着いた答えです。いったいそれは何なのか。
この記事を最後まで読めば、あなたが入るべき研究室がどこか、根拠をもって選べるようになります。
僕は化学科の研究室に配属しましたが、理系であればどなたでも参考になると思うので是非最後までご覧ください。
この記事はこんな人向け
もくじ
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研究室選びで重要なたった一つのこと
研究室選びで重要なたった一つのこと。それは、大学生という時間の中で、どれほど研究活動にチカラを入れたいか、です。
言い換えれば、大学生という時間の中で、どれくらい研究活動に時間を使いたいか、です。研究室のミスマッチが起こる原因のひとつは、この「研究活動にチカラをいれたい」具合の温度差によるものです。
「たくさん研究したい」のに、研究室のお金がなかったり、なまけた人が多かったりすると、「たくさん研究する」のは環境的に難しく、結果として「この研究室にしなければよかった」という後悔に繋がります。
反対に、「研究はぼちぼちでいいかな」と思っていたのに、成果を求められる研究室に入ってしまったばっかりに「つらい・・・」と思うようになると、「この研究室はやめとけばよかった」と後悔してしまいます。
「研究活動にチカラをいれたい」具合が自分と研究室とで同程度であれば、あなたの研究室選びは成功したと言って良いでしょう。
「研究活動にチカラをいれたい」具合を自分と研究室でマッチさせるために、この2つを確認しておきましょう。
POINT
「その研究室がどれくらい研究活動にどれくらいチカラを入れているか」
この2つがマッチすれば、あなたはどこの研究室でものびのびとやっていくことができます。
「好き」なものがある研究室に入ることは最強です。その「好き」がある限り、頑張ることができるからです。でも、そんな「好き」を見つけるのも実際問題難しいと思います。そこで今回は、そんな「好き」がなくてもマッチした研究室を選べる方法を紹介しています。
「研究活動にチカラをいれたい」具合を自分と研究室でマッチさせる
では、次はこの2つをどうやって確認するか、その方法を紹介します。
まずは、あなたがどれくらい研究活動にチカラを入れたいのか、自分で認識しておきましょう。
あなたはどれくらい研究活動にチカラをいれたい?
そもそも、どうして研究室に入るのでしょうか。
「そういう決まりだから」とか「みんながそうしているから」という消極的な理由で研究室を選ぶのは、人生2度とない研究室生活かもしれないのにもったいないです。
そこで、まずはあなたが研究室に入る「目的」をしっかりもつことにしましょう。
そうはいっても、研究活動ってどういうことをするのかわからなければ「目的」をもつのも難しいですよね。そこで、研究活動とはどのようなものか、ここでお伝えすることにします。
ずばり、研究活動とは、「その分野に関する知識を身につけ」ながら「課題を見つけ、仮説を立て、実験し、結果を得て、それを分析し、考察する」というサイクルをくり返す中で、「仲間や教授とコミュニケーションを取り」ながら「新たな情報を世の中に発表する」ものです。
この1連のサイクルを通して、自己成長や、スキルアップにつなげていきます。研究室は自己成長の場なのです。
では、具体的に研究室でどんなことをして、どんな成長につながるのか。どんなスキルが身につくのか。これがわからないと目的・目標も立てにくいし、イメージしづらいと思います。
そこで、こちらに僕が研究室に入って得られた力・スキルを簡単に以下にまとめてみました。
これらを参考に、「自分は研究室でどんなことをできるようになりたいか」や「目標」を決めてみてください。
そうすることで、研究室に配属される1年~数年間をどう過ごしたいかが見えてくると思います。
研究室生活で得られたスキル
・能力・その研究室が扱う分野の専門知識
・現象やデータの分析力
・論理的な思考力 考察する力
・計画を立てる力
・数学的な直感 感覚
・忍耐力 粘り強さ
・継続力
・問題や課題解決に向けた発想力
・情報収集力
・責任感の向上
・プレゼン力
・英語文献を読む力(英語に対する抵抗感の減少)
あなたが研究室に入ってどんな人になりたいですか?どんなことをしたいですか?
その研究室にはどれくらいの時間を使いたいですか?
少し考えてみてください。
「研究生活って為になりそう、楽しそう」と、大学でしかできない経験を存分に味わいたいのか。
研究に没頭する毎日を過ごしたいのか。
それとも「まぁ研究は楽しそうだけどせっかくの大学生もう少し他のことにも時間を割きたいな」とバイトやプライベートの時間も大切にしたいのか。
研究以外の自分のやりたいこともやりたいのか。
こういうことも考えてみるといいです。
もし「自分のやりたいこと」=「研究活動そのもの」だという人は、時間的にも環境的にも思う存分研究できる研究室がよいでしょう。
「自分のやりたいこと」は「研究活動」以外にもあって、バランスをとりたいんだ、という人は、ある程度自分の裁量に任されていて時間コントロールしやすい研究室がよいでしょう。
そのバランスを迷っているなら、自分の時間をある程度とれる研究室がいいです。
また、研究をしたくないという人は研究室のウェイトを抑えてもいいです。ただ、その場合は研究に代わる自分の成長に繋がるなにかに時間を使いたいところです。
ただし、就職理系の道や研究職につきたいなら研究活動は重要です。また、理系大学生の意義を考えるなら「あまり研究しない」という選択肢は避けたいところです。
さて、自分がどれくらい研究活動したいか把握できたら、次に「研究活動」の中で自分は何にチカラを入れたいか、整理してみてください。
「3.実験をする」をたくさんしたいのか、「5.分析をする」という経験を中心的に行いたいのか。それとも、1~6という「研究活動サイクルをたくさん回したい」のか。
これを意識するだけでも、自分が選ぶべき研究室がクリアになってきます。
それも大丈夫です。研究活動をしていくと、「自分はこの大学生活の中で○○ができるようになったらいいな」と思う瞬間がでてきます。今目的がなくても大丈夫。ただ、研究室とのやる気のミスマッチを起こさないために、「どれくらい研究活動に時間を使いたいか」は決めておくことをオススメします。
POINT
自分がどれくらい研究活動にチカラをいれたいかを明確にするために
・研究活動の中でどんなことをメインに行いたいか決める
ここまで自己分析ができました。あとは研究室を分析し、その他の要素が自分とマッチするか確認するだけです。
その研究室はどれくらい研究活動にチカラをいれてる?
基本的には、先輩や研究室にインタビューに行き情報を集めるのがよいです。ではさっそく、どんな情報を聞けば良いのか、その項目もあわせて、研究室の分析方法を紹介します。
研究室がどのくらいの時間研究することを求めているかがわかるcheck項目
判断には次の項目を確認しましょう。
コアタイム
研究活動はほどほどでよい、私生活とバランスを取りたい人は重要です。
ゼミ頻度
定期的に他者の論文をまとめて発表する機会があるでしょう。このゼミの頻度が高いと資料づくりに追われて研究する時間が十分割けない可能性があります。また、その分プライベートの時間を割かなくてはいけなくなるかもしれません。ゼミにむけてどれくらいの準備時間が必要か、聞いておきたいところです。
論文の発表数
学生による論文の発表数が多いということは、それだけ研究に時間を割いている可能性があります。研究効率が良いから 少ない時間でたくさん論文を出せているのかもしれませんが、もし「論文を出すこと」が強制される研究室では自分の時間を十分とることは難しいかもしれません。
チーム戦か個人戦か
自分の実験は自分で完結させる個人戦なのか、チームで研究をしているチーム戦なのか、気になるところです。チーム戦の場合は自分のペースで進められないことが多いので注意です。「お昼ごはんはみんなで食べに行く」研究室もあるようです。
就職活動に寛容か
いずれは就活をします。就活よりも実験しろ!と言ってくる研究室はあまりおすすめできません。
研究成果がでるまでのサイクル時間はどの程度か
やはり研究では「成果」も求められます。研究活動というサイクルを1回でも多く回したいわけです。研究テーマによっては、サイクルを1日で回せてしまう場合もあるでしょうし、1か月かけてようやく1サイクルという場合もあります。1サイクルに時間がかかる場合、サイクルを多く回すためにより多くの時間が必要になる場合があります。自分がどれくらい研究活動に時間をあてたいかよく考える必要があるでしょう。
以上の項目を参考に、自分の研究活動に割きたい時間と研究室が求める研究活動量を比べて見てください!
研究室が自分のやりたいことを満足にやらせてもらえるかのcheck項目
上のBくんのような事態にならないためにも、ここからは研究室がどの程度「研究活動を満足に行うポテンシャルがあるか」を評価する方法を紹介します。ここで自分のやりたいことがその研究室でできるか確認しましょう。
先生の性格
失敗を怒る人なのか、自分の考えを受け入れてくれる人なのか、えこひいきする人なのか、話が通じない人なのか。放任主義な先生ならまだ「自分のやりたいこと」をやることができますが、「自分の思い通りにやらない学生にはあたりが強い」ような先生の場合は、「自分のやりたいこと」も満足にできず、ストレスになります。担当教員の性格や先輩が言う先生の人柄はよく聞いておくべきです。
論文の発表数
活躍したい人、とにかく成果を出したい人はcheckです。論文発表数が多いほど、研究活動の サイクルが素早く適切に回せている可能性が高いです。また、役割分担をしているからサイクルが早く回っている可能性もあります。自分がその研究室に入ったら、どんな役割が与えられるのか先に聞いておけばミスマッチはなくなります。
学会出席
大学生しか味わえない経験を体験したいならcheckです。
請負型か自発型か
主体性を身につけたいなら自発的な行動を求められる研究室がよいです。自分で計画して、計画通りに実行して、結果を考察して…と自ら考えて行動するのが好きな人、そういう人になりたい人は自発型の研究室がよいです。言われたことを言われたとおりにやる請負型は、主体性を育てるのは環境として困難です。その一方で、 請負型の中でも自分なりに目標や目的を設定し、試行錯誤すれば自己成長につながります。また、請負型は仕事を渡してくる人(教授など)がペースメーカーとなり研究活動のサイクルが早く回っている可能性があります。あなたはどちらのタイプでしょうか。
研究費(研究設備・分析設備)はあるか
仮説を確かめるための実験が不自由なく行えるか、重要なポイントです。なるべく多く「実験をしたい」人、「分析したい」人、「研究活動というサイクルをたくさん回したい」人は、実験設備や分析設備が十分整っているか、確認しておきましょう。
教授とコンタクトを取れる機会は十分か
課題を見つけたり、実験方針を考えたり、分析が正しいか相談したり、考察したり…教授はあらゆる場面で助けとなります。 正しくサイクルを回せてるか審判役も務めてくれるため、教授とコンタクトをとれる回数が多い方が研究活動は進めやすいでしょう。ただし、もし、教授が不在でも、先輩が頼りになるなら大きな問題にはなりません。
まとめ
研究室がどのくらいの時間研究することを求めているか知るために確認したい項目
・コアタイム
・ゼミ頻度
・論文の発表数
・チーム戦か個人戦か
・就職活動に寛容か
・研究成果がでるまでのサイクル時間はどの程度か
研究室が自分のやりたいことを満足にやらせてもらえるか知るために確認したい項目
・先生の性格
・論文の発表数
・学会出席
・請負型か自発型か
・研究費(研究設備・分析設備)はあるか
・教授とコンタクトを取れる機会は十分か
以上の項目を参考に、研究室が自分のやりたいことを満足にやらせてもらえるかを判断してみてください!
ここまでできたあなたは、研究室選びで大きなミスマッチを起こすことはないでしょう。
「いやいや、研究室の分野とか、ジャンルって大事じゃないの?」
そう不安に思うあなたのために、僕の考えを次のページでお伝えします。
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