社会調査士の資格取得に必要な科目A〜Gとは?【わかりやすく解説】

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こんにちは。理系のやま (プロフィール) です。

 

僕は3年間かけて「社会調査士の資格を取るのに必要な科目」を大学で全て履修しました。

そして現在は上位資格の専門社会調査士の資格取得を目指して大学院で勉強しています。

 

そんな僕が、今回は社会調査士の資格取得に必要な授業(A〜G)を取った感想と、授業内容について書いていきます。

 

大学によっては授業内容も変わってくるとは思いますが、社会調査協会が定める「どの授業で何を学ぶか」というものは決められているので、内容が大きく異なることはないでしょう。

 

この記事はこんな人向け

・アンケートや調査に興味がある
・統計に興味がある
・社会調査士の資格を取ろうか迷ってる
・社会調査士の授業ではどんなことをするのか知りたい

 

この中で1つでも当てはまる方は是非最後まで目を通してみてください!

 

この記事を読むメリット

・授業でどんなことが学べて、どんなことができるようになるかわかる!

 

 

そもそも社会調査士って?就活に役立つ?

こんな疑問は下の記事で解決してますのでよかったらチェックしてみてください!

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ではさっそくみていきましょう!

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社会調査士の資格取得に必要な科目のおさらい

資格取得には、大学で次の科目の単位を取る必要があります。

【 A 】 社会調査の基本的事項に関する科目
【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目
【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目
【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目
【 E 】 多変量解析の方法に関する科目
【 F 】 質的な調査と分析の方法に関する科目
【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目
※【 E 】と【 F 】は、どちらかを選択。
出典:一般社団法人 社会調査協会

社会調査士になるにはこれらの単位の取得が必要です。

そのA〜Gってどんな授業?

そんな疑問をこれから解消していきます。

どんなことを授業で教わったのか、その結果どんな力がついたのかお伝えします!

 

授業ではどんなことが学べてどんなことができるようになる?

それでは、A〜Gについて順にどんな授業だったか説明していきます。

 

【 A 】 社会調査の基本的事項に関する科目

この授業では、「どのような方法でアンケートをとるか?(調査するか?)」ということを主に学びました。

 

調査の方法はいろいろあります。

・回答者が調査員と対面して行う「面接調査
・調査員が電話をかけ、回答も電話で行う「電話調査
・アンケート(調査票)を回答者の自宅へ送る「郵送調査
・インターネットを使った「インターネット調査

 

それぞれ利点や欠点が存在します。

 

例えば、

電話調査」は
短い期間でアンケートを取り終えられる」一方で「質問数を多くしにくい

郵送調査」は
調査員が行くのが難しい所でも調査できる」一方で「集計するのに時間がかかる

インターネット調査」は
回収率が高い」一方で「回答年齢層が限られる

といった具合です。

 

このように、各調査方法の長所や短所を学んだり、また社会調査の実例を交えた歴史などを学習したりと、データの収集から分析までの基礎的内容を教わりました。

 

郵送調査で回収率を高めるには謝礼を贈る?
「アンケートに答えてくれたら謝礼をプレゼント」。そうすればアンケート回収率は上がりそうですよね。実際に回収率が上がることが知られていますが、実は謝礼をあげるタイミングで回収率は変わります。「アンケートより先に謝礼をわたす」「アンケートの後に謝礼をわたす」どちらが回収率が高いか。答えは、「アンケートより先に謝礼を渡す」です。人は、「相手に何かしてもらうと、相手にもお返ししないとな」と潜在的に思うそうです。そんな心理戦もあるんだな、と関心させられた瞬間でした。

 

【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目

【A】の科目はあくまでも「考え方」を学んだにすぎず、「実際にどうやって調査をするのか」という具体的な方法については学びませんでした。それを学べるのがこの科目。

 

どのような方法でアンケートをとる人を決めるのか?
どのようにして選ぶのか?

考える必要があります。

 

例えば、日本人の中からアンケート対象者を選ぶのに、

「日本は男性よりも女性の方が多いことを踏まえて女性を若干多めにアンケートをとろう」とするのか、

それともそんなことは考えずに、

「一定の抽出ルールを決めてランダムにアンケート対象者を選ぼう」とするのか。

 

あなたならどうやってアンケート対象者を選びますか?

もし、たとえば「アンケートで『33%±10%』の人がYESと答えた」のように統計的に処理したいなら、「一定の抽出ルールを決めてランダムにアンケート対象者を選ぶ」必要があります。

言い換えれば、「無作為抽出」する必要があります。

 

じゃあどうやって無作為抽出するの?

その具体的な方法を学びました。

 

そのほかにも、
「面接調査」をするならどんな調査員を集めてどのように調査対象者の家に行くのか?
「電話調査」ってどうやってやるのか?かける電話番号をどう決めているのか?

 

そういった各調査の具体的なやり方も学べます。「具体的な調査方法」を知ることができ、実践的な内容が学べます。

調査(アンケート)する上で注意すべき4つの誤差とは?
無作為抽出による調査では4つの誤差(エラー)が発生します。

1.メジャリングエラー:各調査方法がもたらす特有の結果に表れる違い
例えば、電話調査は「口で自ら相手に回答を伝える」ので「本音で答えにくい」ところがあります。一方、郵送調査なら「紙に書いて送るだけ」なので「相手」を意識することなく「本音で答えやすい」調査方法といえます。こうした違いが結果の違いにつながります。

2.カバレッジエラー:本来はアンケートすべき人にアンケートしなかった時のモレによる誤差
極端な例ですが、たとえば「若者に人気のユーチューバーを調べる調査」なのに、若者にアンケートをとらず高齢者からアンケートを取っていたとしたら、それは適切な調査といえるでしょうか。本来アンケートすべき人にアンケートしなかったとき得られた結果は、適切とはいえないかもしれません。

3.ノンレスポンスエラー:回答を返してくれない人がいたとき、その人の意見が反映されないことによる誤差
極端な話、アンケートに答えてくれた人が全員女性で、男性は1人も回答してくれなかったとき、得られた結果に「男性の意見」が反映されていないことになります。このように「無回答」が多いと、「本当に知りたかった結果」が得られなかったりします。

4.サンプリングエラー:無作為抽出したとき必ず生じる誤差
調査に協力してくれる人をたくさん集めればこの誤差は小さくできます。でも、それだけコストもかかります。

これらのエラーをいかに効果的に小さくするか、こういったことも考えて調査方法を検討する必要があります。

 

【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目

無作為抽出」したなら、科学的な統計処理が可能です。

たとえば 、

・日本の有権者の中から「今の政治に満足していますか?YES/NOで答えてください」とアンケートをとります
・900人から結果が返ってきました
・YESと答えた人は300人

この場合、「今の政治の満足している人」は

300 (人) ÷ 900 (人) × 100 (%) ≒ 33%

ですね。

でも、300人しかアンケートしてないので、必ずしも日本の有権者全体でも「今の政治に満足している人」がぴったり33%である、とは言えません。

実際は33%よりも少ないかもしれないし、多いかもしれない。そこで、「33%±○%」のように、33%という数字がどれくらいの精度をもったものなのかを客観的に計算する必要があります。

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この「±○%」のような数値をどう計算するのかについて学べます。

今回の例だと、「33±10%」です。ちなみにこの「±10%」のような誤差は、次の式で求められます。

わかりやすく書き直すと、


となります。これを計算した結果が「10 %」だったのです。

 

授業でも式はでてきますが、こうした式を正しく使えれば良く、「数学ができないとだめだ」と思う必要はありません!

代入して計算、計算も電卓が使えればOKです。

 

【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目

ごりごり数式変形して・・・ということはしませんでした。社会調査をするにあたって、基盤となる統計学の考え方を学びます。

平均値ってなに?
正規分布ってなに?
統計の検定ってなに?

そんなことを1から丁寧に学びます。

 

また、僕は全くの初学者でしたが、そんな僕でも役に立った初心者向けの統計学の参考書があったので紹介しておきます。

難しい式が出てくることなく、1から丁寧に書かれているのでみんなにおすすめの1冊です。
(「数学嫌いのための」というのが個人的な推しポイント)

『数学嫌いのための 社会統計学』


ちょっと値段が高いですが、amazonのレビューの高さからも良書であることがわかります。理系だけでなく文系の人にもおすすめ。

 

【 E 】 多変量解析の方法に関する科目

多変量解析。難しく聞こえますよね。どういうことなのか、これは2変量解析と比較するとわかりやすいと思います。

例えば、あるお店のお客さんの満足度について、2変量解析多変量解析の2通りを考えてみましょう。

2変量解析
(お客さんの満足度)=(売り物の質)
多変量解析
(お客さんの満足度)=(売り物の質)+(会計の時間)+(お店の清潔度)

おわかりいただけたでしょうか。

多変量解析とは、上のように、1つの要素(お客さんの満足度)を決める要因を何個かあぶりだして、それがどれくらい結果に影響を与えるか調べることです。

 

この結果、例えば「お客さんの満足度」に大きな影響を与えるのは「売り物の質」で、その次に影響を与えるのは「会計の時間」だ、と解析できたとします。

この場合、お客さんの満足度を高くするには、まず「売り物の質」を高め、次に「会計の時間」を短くするように工夫すればよい、と考えられるわけです。

 

実際の授業では、自分のPCに「R」という無料の統計処理ソフトをインストールし、これを使って手計算では解析できないような統計処理を練習しました。

 

確実に自身の統計の処理能力が上がります。

 

【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目

実習の科目です。

僕の大学では、実際に特定の市民に調査票を送り、回答してもらい、その結果を解析し、レポートする。まさに実践そのものでした。

もちろん1人ではできないのでチームで行いました。

 

・どのような質問をつくるか
・どのような調査法を採用するのか (このときは郵送調査に決定)
・調査票はどのようなレイアウトにするか
そして
・実際に役所に出向いて調査協力者を無作為抽出
・調査票を封筒に入れ、郵送
・返ってきた票から集計してExcelで解析
・結果をレポート

 

まさに、【A】~【E】の科目の集大成です。それだけやりがいもありました。

そして、このレポート提出をもって、単位取得となりました。

あとは、申請する旨を大学に伝えれば資格取得できます!

 

 

こんな人にはこの授業がおすすめ

いきなり社会調査士を目指そう!と思わなくても、まずは興味のある授業をとってみるのもいいと思います。

そこで、どんな人にはどの科目の授業がおすすめかここでまとめておきます。

 

調査手法の特徴の違いに興味がある人
→【 A 】社会調査の基本的事項に関する科目

●各調査手法を具体的にどのように行うかに興味がある人
→【 B 】 調査設計と実施方法に関する科目

●基本的なデータ分析や統計の基礎を学びたい
→【 C 】 基本的な資料とデータの分析に関する科目
or【 D 】 社会調査に必要な統計学に関する科目

高度な統計学(重回帰分析、因子分析、判別分析など)を学びたい
→【 E 】 多変量解析の方法に関する科目

実際に社会調査を行ってみたい
→【 G 】 社会調査を実際に経験し学習する科目

このようにまとめることができます。

 

まとめ

社会調査士の資格取得に関連する授業ではどんなことを学ぶのか、イメージはできたでしょうか?

もし少しでも興味があったらまずは試しに授業を受けてみましょう

社会調査士についてもう少し詳しく知りたい人や、就活に役立つか気になる人はこちらも合わせて読んでみてください。きっと参考になるはずです。

 

 

また、自分の学校で授業が開講されているかはこちらで確認できるので合わせて参考にしてみてくださいね!

自分の大学で開講されているかチェックしてみる

 

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